小悪魔★boy
この場所には不似合いな、
凛とした、女の声がした。
一緒皆黙りこんだ。
屋上から、校内に下りる階段
扉の横から出てきたのは
一人の女の子だった。
高い位置で結んだ髪が風に揺れる。
少し陽に焼けた肌が印象的な、
気の強そうな女の子。
彼女の顔に笑みはない。
『お前煙草の火を消せっ』
涼しい顔をして煙草を吹かし続ける美波に
信吾が促すが、美波は微動だにせず、
堂々と白い灰を落とす。
『無駄だ、もうバレた。』
『いつからそこにいた?』
俺はこの後におよんで
表の自分を出そうとはしなかった。
淡々と彼女にそう聞くと、
彼女は微かに笑った。
『ずっとよ、』