Frist time


俺たちは帰り道の途中にある公園に寄った。
俺が梨華に一目惚れした、あの公園だ。


ベンチに軽く積もっている雪を手で払いのけ、宏と二人で並んで座る。



「昨日、何があったんだ?」


座ってすぐに宏が心配そうな顔をして尋ねてきた。
でも俺の頭は全く働かなくて、

「もう、分かんねぇ」


そう答えるのがやっとだった。
俺が虚ろな表情をしていると、宏がいきなり、そして思い切り背中を叩いてきた。


あまりの痛さで目を見開き宏を見る。


「いってぇ…!
いきなり何すん」

「お前らしくねぇぞ!」


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