Frist time


チャイムが鳴ったのを聞いて時計を見ると、もう下校の時間だった。


俺はカバンを持って下駄箱まで向かう。
本当なら部活があるのだが、俺の様子を見た監督が俺のみ「休養」という判断を下した。

こんなやる気のない奴が部活にいても雰囲気を下げるだけだから、監督の判断は妥当だろう。

まじで情けねぇけどな。



トボトボと歩いて下駄箱に着くと、壁に背中を預け、あぐらをかいて座っている宏がいた。


「よお。
待ってたぜ。
ちょっと顔貸せや?」



俺の頭は素直に上下に動いた。多分宏に聞いてほしかったんだと思う。


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