Frist time

「「お疲れーっす!!」」


部活が終わると冬の冷気に包まれていた体育館も、バスケ部の熱気でガラスが曇っている。


「翔!
今からさっきの続きやんねーか?」


亮が半袖の袖を捲り上げ、ランパンに手を突っ込んだやる気満々な格好でやって来た。

しかし俺はバッシュの紐を緩める。


「悪りーな。
俺、今から行くとこあんだわ」


「なんだよー…つまんねぇの!」

不服そうな亮を横目に他の部員へ挨拶をし、バッシュを片手に体育館を出る。






部活後の体育館とは違い、校舎はめちゃくちゃ寒かった。
制服の中に着たセーターの袖を伸ばし、手を隠すようにして歩いた。

向かったところはあいつの教室。
部活が終わった後だし、いないに決まっているけれど、明日から冬休みになるため部活棟以外は学校が締め切られてしまう。

チャンスは今日しかなかった。






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