Frist time
俺の声が人気のない道で響く。
玲菜は足を止める気配がない。
でも俺は仮にもバスケ部。
あいつが俺に敵う訳もなく、玲菜はあっさりと俺に捕まった。
手首をぐいっと引いて、先に行こうとするのを食い止める。
「…なんで、逃げんだよ」
走ったせいで上手く言葉が出てこない。
玲菜も肩で息をしているせいか、なかなか言葉を発しない。
「…そんなに俺のことが嫌いかよ?」
“好き”
そう言いたかったのに、頭の中で何回も繰り返していたのに、出てきた言葉はすごく弱気な言葉だった。
でも玲菜は俺の言葉に玲菜は大きく首を振る。
「じゃあ、どうして…」
俺はぐいっと玲菜の手首をひき、ずっと反対側を向けていた顔をこっちに向けた。
そして玲菜の顔を見て息を呑む。
…なんで、泣いてんだよ。