Frist time


時計を見ると、もう12時。
宏との待ち合わせを1時にしているため、あまり余裕がない。

今までなんの焦りも感じていなかったが、そろそろやばいと思えてきた。

宏との約束を果たせないのは嫌だ。
笑って送り出すって決めたのに。

なによりもあいつに会いたい。
会って気持ちを伝えなきゃ、気がすまねぇし。
やっとお前が大事だって、気づけたんだ。

頼むから、来てくれよ。



手をぎゅっと握りしめて玲菜が来ることを願った時、後ろで雪を踏みしめる音が聞こえた。


ゆっくりと後ろを振り返ると、そこにはあいつが立ってた。


「…玲菜。」


俺が思わず立ち上がると、玲菜は突然来た道へ走り出した。

ちょ、ふざけんなよ。
やっと会えたんだ、逃がしてたまるかよ。



「待てよ!」





< 142 / 154 >

この作品をシェア

pagetop