Frist time
時計を見ると、もう12時。
宏との待ち合わせを1時にしているため、あまり余裕がない。
今までなんの焦りも感じていなかったが、そろそろやばいと思えてきた。
宏との約束を果たせないのは嫌だ。
笑って送り出すって決めたのに。
なによりもあいつに会いたい。
会って気持ちを伝えなきゃ、気がすまねぇし。
やっとお前が大事だって、気づけたんだ。
頼むから、来てくれよ。
手をぎゅっと握りしめて玲菜が来ることを願った時、後ろで雪を踏みしめる音が聞こえた。
ゆっくりと後ろを振り返ると、そこにはあいつが立ってた。
「…玲菜。」
俺が思わず立ち上がると、玲菜は突然来た道へ走り出した。
ちょ、ふざけんなよ。
やっと会えたんだ、逃がしてたまるかよ。
「待てよ!」