短編‡よこたわるくうき。
「………………」
「あれ? そうだよね?」
「違ぇよ!! さっさと食わねぇと、もう部屋に上げてやんねぇぞ!」
そう言うと、トモヒロは急いでオムライスをかきこむ。
そして、ケチャップがこびりついた白い皿を見つめてから、飼い主のご機嫌を伺う犬のような目つきで、こう言った。
「おかわり、してもいいっスか?」
――――言うと思ってた。
アキラは苦笑いしながら立ち上がり、ボウルに玉子を割り入れた。
少しだけ振り返ると、年下の友人が嬉しそうに。
本当に嬉しそうに笑っていたから。
アキラもいつの間にか笑ってしまっていた。