十人十恋-じゅうにんとこい-
「別に、普通だ…。これは自分にも言い聞かせてるコトだしな」

俺は何故か素直になれない。

自分でも照れているのも、分かる。

「今夜、一緒のお布団で寝て良い?」

俺は物凄くビックリした。

「ハ?」

「小学生の時してたじゃない」

「してたけどよ…」

「私、ハルくんを信じてるよ」

って玲が言って、俺の布団の中に入ってきた。

つーか、ナニを信じてるんだ?!俺の理性か?!

「ちょ!、朝起きたらどうするんだ?」

「ハルくんのべランダから、私ん家に戻る…」

玲は眠そうだった。

そして、玲は眠そうな目で俺を見て言った。

「ハルくんは、ぽっちゃりした女の子、好き?」

そのまま、玲は寝ちまったが、俺は俺ん中で本能と理性が戦っていて、眠れなかった。

寝転んでから四時間後、やっと眠りに落ちた。

結局、三時間ぐらいしか眠れなくて、起きると玲が俺を覆うような体勢になっていた。

「あ、きら…?何し、てんだ…?」

眠くてよく分からなかったが、玲の口が動いていて『スキ』と言った気がした。

眠くてそのまま目を閉じたら、唇に何か柔らかくて、シャンプーの臭いがして…

俺はまた、眠りに落ちた。










二度寝したらしい。目を覚ますと、玲はもう居なかった。



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