男装人生

やっとこさ列車内に乗り込む。


ミッキーとハルが2人で座り、怜悧と圭也と凛で4人席に座った。



圭也を押し退け窓際席をゲットした怜悧は、早速外を眺める。
海岸に近く、怜悧たちが座っている窓からは海、反対の窓からは山と畑の景色が楽しめた。
暖かな日差しに、輝く水面(ミナモ)と白い砂浜。

空と海との境界線はあそこだろうか。
壮大な景色に目を細める。



「れ~いりッ‼景色ばっかり眺めてないで、喋ろうぜ~」


凛だって外眺めてるじゃんかー‼
なぜ私だけ・・・

せっかくいい気分で眺めていたのに。


「邪魔すんなッ」


「朝から思ってたけど、怜悧の私服ダサッ。」


「聞けよ‼てか、余計なお世話だよ‼」


白Tシャツにジーンズというシンプルな格好だ。
Tシャツには大きく"I LOVE YOU"と書かれてある。


「"I LOVE YOU"って。プププッ」


「うるせぇ。圭也は、派手だな。」


今日は青を基調としたコーデのようだ。
柄物が必ず一つは入っている。
センスは悪くないのに圭也が着るとチャラチャラしてみえる。


「え?サンキュー。」


「褒めてないッ‼」


それに比べ凛は。

黒シャツに黒のズボン。
全身真っ黒。


うん。


ノーコメントで。



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