男装人生
「ココ。」
コンクリート道から砂利道に変わった頃、凛が声をかける。
辺りは見事な日本庭園が広がっていた。
ゆっくりと腕を上げ、どこかを指さす。
凛の指差す所に風格のある巨大な老舗旅館があった。
「すげー」
「大きいねぇ~」
「こんないいとこ泊まっちゃっていいの?」
思わず凛に聞いてしまう。
すごく高そうだ。
「・・・大丈夫。今の時期、旅行客も少ないから。」
恐縮(キョウシュク)しながらも凛の後に続き、進む。
莉歩ちゃん以外の2人もあんまり来たことないのかぎこちない。
「しおりちゃんと由紀ちゃんはあんまり来ないんだ?」
「こんな高級旅館、庶民の私達には無縁だよぉ」
「うん、入るだけで緊張するね・・・」
やっぱり、凄い旅館のようだ。
「私達ここで待ってるね。」
「・・・中、入らないの?おいで?」
凛がいつもの調子で二人に声をかける。
「いいよ、いいよ。待ってる。」
「行ってきてぇ?」
"泊まるわけじゃないし"と二人は遠慮し、20分後にこの場所に集合ってことになった。
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