男装人生
「希夜~?入るぞ~?」
全く聞こえて無さそうだが、玲李は少しずつ進んで行く。
後が怖いが、行動しなければどうしようもない。
とうとう希夜の目の前まで来てしまったがピクリとも動かない。
どうやら寝てしまっているようだ。
それにしても何をしてたんだろう。
辺りに散らかった紙を見てみる。
何語?
何やら知らない外国語の文字がズラリと並んでいる。
玲李には読めそうにも無かったので希夜に視線を移す。
ぐっすり寝てるな・・・
多分何かをしていて、そのまま寝てしまったんだろう。
希夜にもそんなことあるんだな。
希夜が生活感を感じさせないせいか、いまいち掴めない。
メガネ邪魔そう・・・
希夜に宣言してやるつもりだったが、すっかり出鼻を挫かれてしまった。
仕方がないので、テーブルの前に玲李も腰を下ろす。
じっと目の前の希夜を観察した。
こんな機会は滅多にないだろう。
隙が無いからな。
.