男装人生



きょろきょろと見回して鏡を探す。

やっぱ洗面台かな~




「おい。」



・・・え?



恐る恐る希夜の方へ顔を向ける。


ひゃー


怒ってらっしゃるーーー



いつの間に起きたのか、不機嫌な希夜がテーブルに頬杖を付きこちらを睨んでいる。



でも、メガネが無いせいかいつもの迫力がない。
怒った顔もキレ・・っ‼
あー何考えてんだ私ーー‼


1人赤面していると希夜の鋭い声が飛ぶ。


「何しに来た。返せ。」


スッと立ち上がり距離が少しだけ縮まる。


「ちょっちょっと待って‼あ、後、鏡を見るだけだからっ‼」



かがみっかがみどこだよーー


「いい度胸してるね・・・フフフ・・・」


鏡どころじゃないはずなのに、焦ってまたバカなことを言ってしまった。


ゆらりと近づく希夜。


ひゃぁ――――っ‼




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