妖魔06~晴嵐~
「美咲、今すぐ自分と千鶴に防護壁をかけろ」

「丞は、どうするの?」

「俺はいい」

「でも、それじゃあ」

「敵の数が多い。だから、魔力を割くのはよろしくない」

それだけ能力の数も多いという事だ。

「いいの?」

「それでいい」

「分かった」

美咲は頷き、美咲自身とジャスミンに防護壁をかけた。

「何一人で格好つけようとしてんのよ」

ジャスミンが不満の声を上げる。

「生きてる奴を最優先で生かすのは当たり前の事だろ」

「あなたは死んでるけど、体がなくなったらおしまいなのよ?」

「かもな」

「千鶴の気持ち知っててやるんだから、自分勝手」

「俺は自己中で最低な野郎なんだぜ」

「開き直るところも最低」

「ほめ言葉として受け取っておくよ」

俺は闇を体に巻きつけて、走り出す。

「悪く、思うなよ」

一斉に動き始める大妖魔達。

攻撃力は妖魔よりも上で、防御力もそうだ。

数が多い以上は長期戦に持ち込めばやられる。

なら、短期で決めるしかない。
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