妖魔06~晴嵐~
「おらあああ!」

闇の腕ではさみを消した後、あらゆる攻撃を消していく。

後、数メートル。

最後の一匹を俺は消し、終わりを迎える。

「はあ、はあ、大丈夫か?」

ジャスミンと琴は、相当傷ついている。

「遅い、じゃない」

「丞ちゃんにゃ!琴、がんばったにゃ!不幸でも、丞ちゃんの約束守ったにゃ!」

「ありがとう」

そして、歩きながら美咲の下にたどり着く。

「美咲」

闇の腕が消え、美咲の様子を見る。

美咲は目を開けない。

「美咲?」

ジャスミンが脈を確かめるために、腕を触る。

ジャスミンは俯いた。

「俺は、また、守れなかったのか」

膝の力が抜け、正座の形で地面に座り込む。

「何も、守ってねえじゃねえか。何も、救えてねえじゃねえか」

地面を殴りつけようにも腕がない。

「くそ」

足の力だけで立ち上がる。

「夢魔、お前の名前は、なんて言うんだ?」

「リナだす」

居心地の悪そうな顔をしていた夢魔は答えた。

「リナ、このままじゃ美咲が辛いから、せめて、綺麗にしてやってくれ」

その後、リナの能力によって美咲の傷は消される。

しかし、美咲が目を開ける事はなかった。
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