still
「葵衣もやっぱり女の子なんだ」
ほら。
やっぱり、馬鹿にされる…
その前に帰ろう!
「じゃあ、あたしはソッコー帰らせていただきますので。」
あたしは立ち上がって早口でそう言い、
出口に向かって歩き始める。
でも、二宮に腕を掴まれて、進むことを阻止されてしまった。
「び、びっくりしたぁ…なに」
「俺も帰る」
「はぁ?1人で帰ってよ」
「嫌だ」
(子供か!)
「お前、俺そばにいないと怖くて帰れないだろ」
……な…にを言ってるんだコイツは!!
「ばっかじゃないの!?そんなわけ」
"ないでしょ"
そう反論しようとしたとき、
辺りが明るくなるくらい雷が光って、
それを追うように、さっきより大きな音が響いた。
「キャー!」
あたしは思わず二宮の腕にしがみつく。
「ほらな」
「っ…」
「帰るぞ」
「でも…」
「俺がいれば怖くないから」
「…」