still



「どうしたの?二宮」

「なにが」

「あんたが優しいと調子狂う」

「俺はいつも優しいだろ」


(…どこがだ)


「あのね、"いつも"優しいっていうのは
司くんみたいな人のことを言うんだよ?
あんたはぜーんぜん優しくない」

「お前いつから司くんて呼んでんの」

「え…」

突っ込み所はそこなの?
てか、なんでそんなの気になるんだろ…


「今日の昼休みだけど…」

「昼?あぁ、俺がいないとき話してたんだ」

「…うん」


なんか二宮、不機嫌。



「ねぇ」

「なんだよ」

「なんで怒ってるの?」

「怒ってねぇよ」

「うそ」

「はぁ?」



二宮が立ち止まり、あたしに顔を向けた。



すると、ポツポツと
冷たい雨が降ってきた。





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