still



「雷鳴ってても家の中に居ればたぶん大丈夫」

「あっそ」


あ、返事はいつも通りなんだ。


「じゃあ帰るわ。傘サンキューな」

「ん、バイバイ」



二宮と別れ、あたしは家の中に入った。



――その瞬間、びっくりするくらい大きな雷が鳴って、

明るかった家が真っ暗になった。




あたしは思わずUターンして、勢いよくドアを開けた。



「二宮ぁー!!停電」

「俺にどうしろと。
さすがに電気は復活できないけど」

「暗いところで1人でいられないっ」

「あーわかったよ。
わかったから泣くな」





…最悪だ。


二宮に、こんな弱いところを見られるなんて。


でも、何故か二宮は優しくて

いつもみたいに馬鹿にしたり、からかうなんてこと
絶対にしなかった。





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