S・S・S
「よくもまぁそんなに熱くなれるね、サラちゃんってば。心配しなくても、どうせ最後にはくっつくって、その2人。残りあと5分だし。」
「ご…5分って!サエさんってば、そんな、身も蓋もない…この2人はですねぇ、友達以上、恋人未満というじれったくも長い年月を乗り越えて………」
「いや、知ってるよ、あたしも何となくそのドラマ観てたから。」
「じゃあ!一緒に熱くなってくださいよぉぉ!!」
「―――… ダメだねー、この仕事してると、なぁーんか慣れちゃって。披露宴なんて、そういうロマンチックな話の宝庫だからさ。悪気はないんだけど、サラちゃんみたいに熱くはなれないわぁ…。若いって良いね。うらやましいよ、逆にさ。」
「サエさぁん……」
ホテルの部屋は、基本的に2名1室。
あたしの同室は、サエさん…佐伯忍さん。
ベテランDJのサエさんは、春夏秋は地元でブライダル司会をしていて、冬になると雪山へやってくる。
もうすぐ30歳になる彼女は、あたしにとってトウマの次に頼もしい先輩、だ。
「ほーら、くっついた。」
「あ…ほんとだ……… 」
“世界で一番… トオルくんが…好き…”
画面に目を戻すと
聖夜にぴったりなラブい光景が映し出されていた。