幸せの在りか
「でもそうなる前は努力したんじゃないのか?
その金は今後一切関わらないという事だろ。
お前が要らないなら良い方法がある。
もっと活きた金にしてやるよ。」
「?」
数日後、誠に連れられてある場所へ来た。
「ここ…て…。」
「そ。親がいなかったり、いても事情があって一緒に生活できない子供たちの施設。ここなら活きた金として喜んで使ってくれる。」
こんな方法もあったんだ。
「もし、私がここで保護されてたら、あんな目に合わずに済んだのかな…。」
「…今は俺がいるだろ?」
そうだった。過去を振り返っても何も変わらない。ここの子供たちにも幸せになって欲しい。
「誠はさ、私がいて幸せ?」
「……。」
「…何で返事がないのよ。」
「そういう事、こんなとこで聞くか?普通。」
目の前には子供たちがいて、皆揃ってお礼を言おうとしてる。