幸せの在りか
「えー。あんた一人で大丈夫だったの?連絡ぐらいくれれば、看病したげたのに…。て、ケータイなかったんだっけ。」
「うん。ありがと。でも誠が…。」
と言いかけて口をつぐんだ。
これは言えない。二人で住んでるなんてバレたら大変だ。
「え?マコト?マコトって誰だよ。」
しまった!
「う…え…あ…お、お兄ちゃん。たまたまあいつが来たから…。」
「…ふーん。あんなに嫌ってた兄貴に看病してもらったんだ。」
「う…うん。そう。最近あいつも前より少しは真面目かなーっと…。」
「…へー。そう。」
目を見て答えない私の顔をじっと覗き込んで一言、
「怪しい。」
と言った。
「や…やだなあ。私の事はもういいじゃん。早く食べちゃお。」
焦った…。心臓バクバクいってる。あー汗かいた。気を付けないと。