幸せの在りか


午後の授業が終わって教室を出ようとすると、「ちょっと。」と呼び止められた。

出た…カタブツ委員長。こいつ苦手なんだよなあ。

「何?」

「あなた、今日掃除当番当たってるんだから、ちゃんとやんなさいよね。いっつもさぼっちゃっていい迷惑よ。」

「ああ、ごめんね。今日、用事あってさ…。」

「なら、ちゃんと誰かと替わってもらってよ。」

替わってもらえ…て、もう教室には誰もいないじゃん。いるのは委員長とマジメちゃんの二人だけ。皆帰っちゃってるし。

「分かったよ。やりゃあいいんでしょ!?」

「そ。分かってくれて嬉しいわ。じゃあ、よろしくね。」

「ちょっと!何であんたは帰るのよ?」

「あら。私は当番じゃないわ。何か文句でも?」

「いいえ。」

「それじゃ。」

委員長が帰った後、大きなため息が出た。



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