幸せの在りか
何で私だけがこんな目に遇うのよ。他にも一杯帰った奴いるのに…。
イライラとして乱暴に鞄を机の上に置いた。
その時、箒を持ったマジメちゃんが近付いて来て、
「早くやっちゃお。」
と、ニコッと笑った。
この子、名前何だっけ?初めて話し掛けられた。おとなしくって、居るのか居ないのか分かんないような子。
いつもは狭いと思う教室も、こうして二人だけで掃除すると結構広い。
「あー、疲れた。」
「うん、疲れたね。でも後少しだよ。頑張ろ。」
「う…うん。」
何かこの子の笑顔ってフワッとして癒されるなあ。