幸せの在りか
「こっちを向いて。ちゃんと俺の目を見て、何があったのか言ってみろよ。」
そう言って、涙の跡を親指で拭ってくれた。
あんまり優しく言うから、いつもの誠じゃないみたい。
じっとお互い見つめ合ったまま、沈黙だけが流れて行く。
落ち着いて、やっと口を開いた。
「…風が…。」
「風?」
「うん。風がきつくて、窓ガラスがガタガタ鳴って。ご飯の用意してる時はよかったんだけど、それが終わったら外は暗いし、急に静かで…。怖くなった。」
「お前、今まで一人だったんだろ?じゃあ、それまではどうしてたんだよ。」
「…怒らない?」
「怒られるような事してたんだな?」
はあー、とため息をついて、
「分かった。怒らねーから言ってみろ」