君が、好き…?(短)
□
「どうだった?」
朝の教室にポツンとあったオレンジが私を見つけて愉しげに笑った。
昨日の一件の原因。
呑気に笑う浩くんは、昨日、全部知っててあんなことしたんだ。
「上手くいったでしょ?」
「かなりね」
「じゃ、カップル昇格ってわけだ」
「……勘弁してよ」
私の言葉に目を丸くした彼を無視して携帯を開く。
視界に影がかかって顔を上げると、思っていたよりも近距離に浩くんの顔があってビックリした。
「このバカ!」
耳鳴りがするほど近くで叫ばれて思わず目を伏せる。
「どーゆーこと?なんでくっついてないの?おかしいっしょっ」
「もう、うるっさい」
「だめ!ちゃんと説明しろ」
胸ぐら掴む勢いでガミガミ言ってる浩くんと、それをうざったそうに顔をしかめる私。
後から教室に入ってきた人達は、ちらちらと私達の様子を伺っている。