とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
酔っ払いの連れらしい女性が突き飛ばされた男性に駆け寄るのが見えた。
「…あぶない!!」
突然忍が叫ぶと同時にその女性の前に入り込むと、殴りかかって来る男を投げ飛ばした。
『ワォ…』
『…さすがクロウの彼女だ…』
「はぁ…何やってんだよ…」
右京は額に手を当てながら忍に近付くと軽く頭を叩いた。
「このバカ!!何考えてる!」
「だって!…」
忍は女性に「大丈夫よ」と声をかけると右京に目で訴えた。
「…なんだその“なんとかして”的な目は…」
右京は溜め息をつくと「わかったから下がってろ」と言うと、男達に向き直った。
忍が女性を連れてマイケル達の所まで下がったのを確認して口を開いた。
「お前ら周りに迷惑かかるから、とっとと帰れ。
まだ暴れるって言うんなら、俺が相手してやるよ。」
「テメー関係ねーだろ!」
「全く関係ねーよ。ハッキリ言って関わりたくねぇ…
…だからあまり機嫌が良くない…」
「じゃあ引っ込めやぁ!!」
威勢よく拳を振り上げる男に右京は睨み付けると、それを左手で受け止め右手で胸倉を掴み上げた。
「言ったじねーか…機嫌が悪いんだよ、俺…」
右京の迫力に怯む男とは裏腹に、仲間の奴らは罵声を飛ばすと殴りかかって来た。