とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
右京は飛びかかって来る男の方に怯える男を突き飛ばした。
とっさにそれを避けた一瞬の隙に間合いを詰めると顔面を片手で掴んで地面に叩き付けた。
『…ありえねぇ…』
『ヨーダに鍛えられてるだけあるね…』
ジェイクとマイケルは後ずさる男が何か言っているのに気付いた。
「あー一足遅かったかぁ!」
店から飛び出して来たジンヤがマイケルの隣から顔を出すと、悔しそうに呟いた。
「あの人は“守護神(ガーディアン)”だ!
まともにやったら怪我するぞ!」
ジンヤの言葉に一瞬男達の動きが止まった。
「お前らなんて何人束になったって勝てねーから!
所詮クズはクズなんだよ!」
嬉しそうにそう叫ぶジンヤを右京は半眼で睨んだ。
「…お前何しに来た…」
「決まってるじゃないっすか!奴らをけしかけに来たんっすよ!」
ワクワクした目でこっちを見るジンヤに右京は軽く頭痛を感じた。
「守護神なんざただの噂だ!
現に俺らは見たことねーし!」
そう笑い飛ばす男達はジャックナイフを取り出すと右京に向かってそれを突きつけた。
それを見た右京は片眉を上げた。
「そんなもん振り回したらあぶねーだろ…」
「怖いのか!?かかってこいやぁ!!」
右京はうるさく騒ぐ若者にだんだんイライラして来た。