SIGHT
「若菜は俺の全てだ。何があっても守る。」

それは本心だ。


「でも…親の存在をそう簡単に忘れれるかよ…」





「お前は優しすぎる。」



「そのフィルムも捨てようとしたさ。だけどそれじゃあ無責任だ。」



「お前らしいな。」




いつの間にか雲の間から陽光が射している。



「…雪、止んだな。」


「よしっ!」


「特別に俺がコーヒー煎れてやるから部屋帰ろうや。」



「勘弁しろよ。」



「たっぷりと砂糖とミルク3割増だぞ?」




「俺を死なせたいのか?」




亮太なりの気遣いなんだと割り切る。



優しいのは俺じゃなくてお前だよ。亮太。
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