SIGHT
ジーンズのポケットに入っていた小銭200円が今の全財産だった。


気持ちを落ち着かせるために自動販売機でペットボトルの炭酸飲料を買う。


飲み物は正直なんでも良かった。むしろ水の方が良かったが自分の真正面にあったボタンが炭酸飲料だっただけだ。




グッと飲み込むと吐き出しそうになる。
普通に考えれば全力で走った後に炭酸なんて飲めるわけがない。


「大丈夫か?」
そう声を掛けられたんだと思うが
「何だこいつ?」
とも聞こえた。




今出来る最良の愛想笑いを作りその場を後にするしか私には出来なかった。
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