彼に恋した夏(方言企画大阪弁編)
帰りの電車は
ガラガラに空いていて
ゆっくり座れた。


ガタン…ガタン…

心地よいリズム。


俺の肩にもたれて
くったりしてる小春ちゃん。



小春ちゃんが…

変な事を言うから
最初からやり過ぎた。



キスは…
もう少しエスカレートした所で
小春ちゃんの腰が抜けて
終わった。


『…ごめん。』


小春ちゃんが首をふる。


『うちの…ファーストキス、
イッツ・ミラクル…』


ふにゃふにゃ~と
呟く小春ちゃん。


『…え?』


俺は小春ちゃんを見た。


『小春ちゃん…だってマキ君は?』


俺の質問に
小春ちゃんも俺を見た。


『ふぇ?…なんでマキ君とのこと知ってるん?』


『いや…ちょっと聞いたんだ。』


『そっかぁ。でもマキ君とは
1ヶ月くらいしか付き合ってへんよ?』


ふにゃーと笑う小春ちゃん。



そ…そうだったのか…

それなのに…

なんか俺…

一人で闘争心燃やして




『初めてなのにあんな事して…ごめん…』


俺は合わせる顔がなくて
項垂れた。


『え~?最高だったよぉ!』


小春ちゃんはなんだか
楽しそうだ。


まぁ…

小春ちゃんが笑顔なら
それで良かった。


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