どーるぷりんせす
いろんな事があったもんね、今日。
「結衣、なにぼーっとしてるの。置いてっちゃうよ?」
「やだっ、待ってー!」
慌てて舞の後をついて教室を出ると、祐くんが待っていてくれた。
「ん。」
祐くんは右手をあたしに差し出してきた。
「へ?」
お菓子でもほしいのかな。
あたし何も持ってないけど‥。
「手だよ、手!」
少しヤケになった祐くんは強引にあたしの手を握った。
チラッと祐くんの横顔を見てみると、ほんのりと赤くなっていた。
「ふふっ」
照れてる祐くんもかわいいな。
あたしからの視線に気づいたのか、祐くんは少しむすっとした。
「なに笑ってんだよ。ちゃんと前見て歩け。」
「えー、だって祐くん面白いんだもん」
「結衣のが面白いから。だからとりあえず前見て歩こうか。じゃないとこの手離すよ?」
「やだっ」
手を離すのは嫌だからあたしは素直に前を向いた。