発明王ショート
「だけど、気になるなら調べてみようか?」


「え?」


 ショートの思いがけない言葉に、成瀬はショートの顔をじっと見つめた。

ショートは腕を組み、目をつむって記憶の糸をたどっている。


「あの指輪、どこかで見たことある気がするんだ。だから、ぼくも気になってる」


 目を開けて、成瀬の顔に微笑みかけた。


「成瀬さんには知能、ぼくには発明の才能がある。ふたりで協力すれば、なにかわかるんじゃないかな」


 真面目なショートがおかしく感じて、成瀬は思わずふき出した。

そして、右手をショートの前に差し出した。


「その話、のった」


「うん、よろしく」


 ショートは成瀬の手をぐっとつかんだ。


「じゃあ、成瀬さん、なにからはじめる?」


「うーん……。なんで嘘をついたのか、まずはそこからだよね」


「まだうそだって決まったわけじゃないだろ」


「人は嘘をつくとき、必ず顔や体のどこかに変化が出る。探してたけど見つからなくってと言っていたときは、嘘をついてなかった。でも、朝ここで落としたっていうのは、絶対に嘘」


「……ん? なんだそれ、なんかおかしくない?」


 ショートは成瀬が示唆している矛盾に気が付いた。


「朝落としたのはうそなのに、探してたのは本当なんでしょ? じゃあ、なんで指輪がこの場所にあるってわかったんだろう」
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