発明王ショート
「……もし仮に、田井君……だっけ? 彼が犯人だとしたら、おかしくはないよ」


「ん、なんで?」


「じゃあ、もし眞森君が犯人だったら、大量に盗んだ宝石はどこに隠す?」


「そうだな……」


 ショートは発明をするときと同じくらい集中して、真剣に考えた。


「パンツの中かな」


「重みでずり落ちると思うけど」


「とにかく人に見つからないとこだよね。それは最低限……あ、そういうことか!」


「そう、体育館裏ならまず人はこない。今どき体育館裏で告白する人なんかいないだろうし」


「だからこの場所に隠した……なるほど、ありえない話じゃない」


「これは仮説だけど、例えば、田井君はこの場所に宝石を隠したんだけど、その場所がわからなくなった。だから、探してたのは本当。そんなときに眞森君が体育館裏に呼び出されたのを聞いて焦った。もしかしたら隠してた宝石が見つかるかもしれない。だから落し物をしたっていう嘘をついて、様子を見に来た。そうしたら、私が持ってたので、慌てて取り返した」


「なるほど、一応つじつまは合うね」


「もしその仮説が当たってたとしたら、まだこの場所に他にも宝石が隠されてるんじゃないかな」


「……OK、じゃあ今度はぼくの出番だね。ちょっと開発してくるから、草むしり続けといて!」


「え? あ、うん」


 ショートは成瀬を体育館裏に残して、自宅にある研究所へと急いだ。
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