発明王ショート
◆◆◆


青かった空は赤く染まり、太陽は段々と沈み始めていた。

夕方になっても熱がこもり、暑い体育館裏で、成瀬はイライラしながら草むしりを続けていた。

ショートがその場を去ってから1時間半。

結局一人で半分以上の草むしりをやってしまっていた。

そこに、開発を終えたショートがようやく戻ってきた。


「お待たせ!」


「遅すぎる!」


 成瀬が鬼の形相でショートを睨みつけた。

ショートは慌てて、とりあえずフライング土下座をする。


「す、すいません。でも、開発してこの程度って、相当はやくない?」


「知らないわよ! それで、何を開発してきたわけ!?」


「これだよ。名付けて『宝石探しくん』だ!」


 ショートは丸い機械を成瀬に見せた。


「自動で掃除してくれるロボットに、ダイヤの成分を感知する機能をつけたんだ」


「へえ、じゃあ勝手に動いて探してくれるんだ」


「そういうこと。行け、『ルンバ』!」


「名前変わってるじゃん」


 ショートが開発した、元お掃除ロボルンバは、土の上をガタガタと不安定に少し進んで、石につまづいて反転した。


「「………………」」


しばしの無言。その後、ショートがひっくり返ったルンバに抱きついた。


「『宝石探すんばくーん』!」


「この役立たず! はあ、早く草むしり終わらせて、それからゆっくり探……」


成瀬の視線が体育館裏の一番奥、壁に面したところの地面で止まった。

そのまま何も言わず、草を掻き分けてその場所へと進む。

ショートはルンバを抱いたまま、成瀬の動きを見ていた。


「どうかした?」


「ここ、草が無くなってて……土を掘り返した跡がある!」
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