あたしの前だけ俺様王子☆
『そろそろ出るけど、お前準備できてるか?』
「……」
そう言われて改めて自分の部屋を見渡す。
時計を見てみると、もう6時を過ぎていた。
ヤバい、ヤバいよ。
準備なんて全くできてないよ。
『…お前、できてねーとか?』
はぁ、とため息をついたアイツ。
こっちだってため息つきたいよ…
『40分くらいには行くから、それまでに準備とかしとけよ。テキトーでいいからさ』
それだけ言って一方的に切られた電話。
あたし、最初しか言葉を発してないのに
なんで今の状況わかったんだろう。
しかも、テキトーって…
アイツがちゃんとした服着て来いって言ったのに。