あたしの前だけ俺様王子☆
そして携帯や財布、ハンカチなどをバッグに入れて少しだけメイクをして。
「…ま、間に合った…」
アイツが指定した時間の10分前。
なんとか準備を終えたあたしは、玄関に座り込んでいた。
丈の短いワンピースから見えている自分の太ももをみると、なんだか恥ずかしくなってくる。
「……」
なんだか今になって後悔が…
はぁ、と大きなため息をついた時。
アイツからの電話を知らせる着信音が鳴り響いた。
「…もしもし?」
『もう着いたから、すぐ出て来いよ』
それだけ言って一方的に電話を切られた。
なんか、ムカつく…っ
そんなことを思いながらも、
「いってきまーす」と叫んで家を出た。