あたしの前だけ俺様王子☆
「………」
執事さんはアイツと降りて行ったから、
広い車に残されたのはあたしと運転手さんだけ。
…この機会に、今からどこに行くのか聞いて見ようかな。
でも運転手さんしてるだけで、どこで何するかとか知らないかもだし…
うーん、どうしよう。
「あいか様、どうかなされましたか?」
「えっ!?」
急に運転手さんがそう言ったから、驚いて声が出てしまった。
“様”付けとか、あたしにしたらかなり違和感がある。
っていうか。
「どうして名前を?」
今日初めて出会ったよね、運転手さん。