あたしの前だけ俺様王子☆
…あぁ、ゆうにいちゃんか。
懐かしいな。
今思い返してもかっこいい。
それでいて優しくて、
大人で、頭も良くて。
他にいい人がいるって言ってたけど、ゆうにいちゃんみたいな人絶対にいない。
やっぱり、理想高すぎるかな…
――バンッ…
あたしのそばで聞こえた大きな音にビクッと反応して目を覚ました。
バッと体を起こしたあたしの目に一番に映ったのはアイツで。
「……なんでいるの?」
あたしは精一杯怪訝そうな表情をして、アイツに向けて言葉を放った。
「いちゃいけないわけ?」
そう言って余裕そうに微笑むアイツは、やっぱりムカつく。
「あ、授業…っ」
「んなもん、とっくに終わった。おまえ起きねーからさ、みんな呆れてたよ」
「………」
嘘、でしょ?
あたしあれからずっと寝てたってこと…?
バカだ、あたし。
後悔しながらも、さっきの大きな音の正体探す。
キョロキョロ見渡してみると、あたしの机の下に辞書や教科書などが落ちていた。