あたしの前だけ俺様王子☆
渡されたメモ用紙を見ながら
あたしは「わかった」と返事をして資料室へと歩き出す。
「あいか~!ドコ行くの?」
そんなあたしに気づいた美紀がてくてくと近づいて来る。
そんな姿も、やっぱりかわいいな。
あたしは美紀を見て目を細めて笑った。
「ちょっとこれ取りに資料室に行ってくるだけだよ」
神山くんから渡されたメモ用紙をひらひらとさせながら言う。
すると美紀はあからさまに悲しそうな表情を作ってみせた。
「えぇ~、だったらあたしも行く!」
そう言いながら思い切り抱きついてくる美紀に、あたしは少しだけ倒れそうになった。
「ちょ、美紀…来てもいいけどつまんないよ?」