僕らの赤い糸は最初から


一人で本を選んでいる渡草をよそに、

俺と恭哉は順調に本を決めていく。


「まぁ、基本的には、
 よく知られている物を使って、
 それを少しづつ変えていくか。」

「そうだな。
 だが、最後の公演は…。」


そう、そこが問題なのだ。
最初のインパクトは、男女を逆にするとか、
衣装を奇抜にすればなんとかなる。
だが、最後は…。


「どうするか…。
 あ、恭哉のオリジナルでもいいんだぜ??」

「やりたい気もあるが、
 人が集まんねぇだろ;」


苦笑いする恭哉。
今思う事じゃねぇんだろうけど、
こいつ…、ぜってェモテるだろ。
男の俺から見ても、
考え込む姿勢とか、
横顔とか、カッコいいと言ったらない。
…いや、勿論俺はソッチの人ではないが。


「…ん??俺の顔、なんかついてるか??」

「い、いや!!何でもねぇよ!!」


…あぶねぇ…。

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