僕らの赤い糸は最初から


「ねぇ!!ねぇねぇ!!!
 あたし、これがいい!!!!」


今まで、普通に一人で楽しんでいた渡草が、

突然俺たちの所に割って入ってくる。


「なになに…?
 〝ロミオとジュリエット〟…???」

「なに絵里、コレ読めたの??」

「最後だけ読んだ♪」


はぁ…。

こいつは…、なんでこんなに笑顔で

そんな事が言えるのか…;


ロミオとジュリエットと言えば、

14世紀のイタリア、

抗争をつづける二つの家に生まれた男女が、

恋に落ち、ひそかに結婚する。

だが、男、つまりロミオは、

ジュリエットの母の甥を殺してしまい、

追放罪となる。

悲しみにくれるジュリエットだが、

それを哀れに思った修道僧が仮死状態になる薬を飲ませ、

秘かに逃がせようとするが、

それを勘違いしたロミオは死んでしまい、

ジュリエットもそれを苦に死んでしまう。

シェイクスピアの有名な悲劇の一つである。

と…、説明したのはいいが、

そうすればいいのか俺には全く見当もつかない。
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