僕らの赤い糸は最初から
「渡草さーん??
ロミジュリの練習するよ-??」
ロミオ役の男子があたしを呼びに来る。
「あ、今行く-。
んじゃ、倒れない程度にがんばっ♪」
「…お前、一回黙って、ホントに…;;」
落胆する遥をよそに
あたしは練習に向かった――――。
「絵里…、その棒読みどうにかして…?」
恭ちゃんに同じことを言われる事30分…。
あたしは全く上達しない…。
練習し始めてもう一か月もたったのに、だ。
「大丈夫、すぐ上手くなるって♪」
皆そういってくれるけど、
迷惑ばっかりかけて、
いい加減に疲れてきている。
…感じ取れるって辛い…。
頑張って笑顔でいるけど、
ちょっとばかり限界が近いようだ…。
「…んじゃ、そろそろ休憩。」
恭ちゃんの一言で皆解放されたように
ため息をついている。
あぁ、あたしはいつもこうだ…。
この場にいられなくて、
教室を飛び出した。