僕らの赤い糸は最初から


放課後…

あたしは遥と教室で練習をしていた。

遥はほとんど初めてなのに、

完璧すぎてあたしの方が聞きいってしまう。


「…おい、次お前のセリフだぞ??」

「あ、!!あぁ、うん!!」


困った。

コレじゃ練習にならない…。

だって…、


「ジュリエット、貴方を連れて
このまま逃げてしまえたら
どんなにいいんでしょうか…??」


自分が言われている錯覚に陥る。

恭ちゃんとやっている時は
何ともないのに…

なんでだろう。

でも、違う人に、

あたし以外にもこの声を
聞いている人がいたらと思うと、

そっちの方が苦しい。


「…にしても、
本当に辛気臭い話だよな。
ロミジュリは;;」


遥がため息をつく。

そうだ、二人は結ばれない。

天国で、そんな事を想像するしか、

二人を幸せにはできない。

そんな話だ。
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