オフィスの甘い罠
     ☆☆☆☆☆



そうしてまた1週間が
過ぎた金曜日。



今日はオフィスで仕事を
終えたあたしは、早々と
荷物をまとめて帰ろうとする。



「ん?

なんだ、今日はなんか
急いでんのか?」



自分のデスクから首を
伸ばして聞いてくる
柊弥を、あたしは冷めた
目で見て言ってやった。



「仕事以外のことにお答え
する必要はありません」



柊弥は辟易したように眉を
ヘの字にして、



「お前な

身も蓋もない言い方
すんじゃねーよ。

ちょっとは打ち解けろって」



「それも必要ありません。

それじゃ失礼します、副社長」



完全に平坦な声で返して、
あたしはサッサと副社長
室を出た。



柊弥もすぐに仕事を終える
だろうけど、あたし達が
一緒にいるのはいつもここまで。



前もった予定じゃない
限り、あたしは定時に
なったらソッコー帰る。
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