オフィスの甘い罠
シャンデリアの光が煌めく
店内は、虚像の空間。



現実だけど現実じゃない、
偽りの世界。



そこへ蝶のように踊り出た
あたしは、久々に会う
男達としばらく蜃気楼の
ような幻の時間に興じた。



山と積まれる貢ぎ物。

次々に開いてく高級なお酒。

飛び交う笑い声と口説き文句。



あぁ、やっぱりこの世界は
居心地がいいな。



全部が作り物でまがい物。



そんな所でたいして知りも
しない相手が自分に振り
回されてる姿は、ホントに
おかしい。





――あたしを待つ
テーブルをいくつも
まわって、数時間が過ぎた。



店内のお客も徐々に減って
いき、楽しかった虚像の
時間もそろそろ終わりかな
と思った頃――…。



「紫苑さん、ご指名入りました!

お願いしまーす」
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