オフィスの甘い罠
「聞いたって誰によ!?」



「金城さんだよ。

先週、一緒に紫苑を祝いに
行かないかって誘われてさ」



「な…………!」



しまった、金城さんか。

忘れてた。


――でも、



「金城さんならちょっと前
までいたけど帰ったわよ?

それに、先週誘われたって――」



それじゃあ、先週から
今日があたしの誕生日
だって知ってたってこと?



ますます顔を険しくする
あたしに、柊弥は平然と
した涼しい顔で、



「あぁ。

けどお前、会社じゃどーせまた

“副社長には関係ございません”

とか言ってサッサと帰り
そうだからな。

だからこっちに来て
やったんだよ」



(はぁ? “来てやった”??)



恩着せがましい言葉に、
瞬間的にカチンとくる。
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