オフィスの甘い罠
わけがわからないまま、
あたしは言われた通り
ビルの1階の喫茶店に向かった。



中に入ると社長は奥の方の
席に座ってて、笑顔で
手を振ってる。



「すいません、
お待たせしました。

――お疲れ様です」



頭を下げるあたしに、
社長は自分の前の席を勧めて、



「そんなにかしこまらないで。

今日はどっちかっていうと
社長としてじゃなく、
柊弥の母親として話が
したいのよ」



「えっ!?」



いきなりの思いがけない
セリフに面食らわずには
いられない。



(柊弥の母親として――
って、どーゆーこと??)



「あ、と言ってもそんな
特別なことを話すつもりは
ないんだけど。

ホラ、柊弥もまだ副社長に
就任して間もないじゃない?

仕事とか……それ以外
でも、どんなふうにしてる
のかなと思って――」
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