オフィスの甘い罠
自分で言うのもなんだけど
あたしを一番気に入って
くれてて、出勤する時は
必ず連絡しろって言われてたり。



「ところで、今日はお一人?

珍しいのね」



グラスを差し出しながら
聞いてみた。



接待とかならもちろん、
ただ自分が飲みたくて来る
時も、金城さんはめったに
一人では来ない。



たいがい部下なんかを
連れて来て、賑やかに飲む
のが好きな人なんだけどな。



まずは水割りでグビッと
ノドを鳴らすと金城さんは
軽く首を横に振って、



「いや、連れはいるんだが
急に予定を変更したもん
だから、少し遅れてるんだ」



「まぁ。
先約がお有りだったの?」
< 20 / 288 >

この作品をシェア

pagetop