オフィスの甘い罠
「なぁに、高城さん。

あたしの顔に何かついてる?」



あたしはポーズで小悪魔
っぽくほほ笑みながらも、
ハッキリ聞いてやった。



すると柊弥は驚いたように
目を丸くして、



「――顔?

イヤ、別に何もついてないけど。

なんでお前、そんなに
つまんなそうなのかと思ってさ」



「―――――!?」



そのセリフを聞いた途端、
あたしだけじゃなく
柊弥以外の全員が驚きで
ピタッと言葉を切った。



だけどあたしだけは、
驚きにもうひとつ別の
感情も混じってる。



ギクリと背中が強張って
しまうような――…

そう、焦りに近い感情。



「……つまらなさそうだ
なんて……どうして?

あたし、とても楽しませて
頂いてるけれど?」
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