オフィスの甘い罠
「圏外って……ちょ……
どこまでふざけてんの……!」
お決まりのアナウンスが
聞こえてきた携帯を、
あたしはプルプル震える
指でそっと閉じた。
――信じらんない。
今のはホントに柊弥?
ホントに、《紫苑》が
こんな目にあってんの?
「イミわかんないって……!」
柊弥があたし指名でまた
来ることも、一方的に
押し切られたこの状況も。
全部が全部、ワケわかんない。
「紫苑がお客に呼びつけ
られて出勤するなんて、
ありえないし――!」
そう――《紫苑》は、
そんな安っぽい女じゃいけない。
会いたい会いたいって
足元に群がる男達を、
余裕の笑みでスルリとかわす。
そーゆー女なのに。
どこまでふざけてんの……!」
お決まりのアナウンスが
聞こえてきた携帯を、
あたしはプルプル震える
指でそっと閉じた。
――信じらんない。
今のはホントに柊弥?
ホントに、《紫苑》が
こんな目にあってんの?
「イミわかんないって……!」
柊弥があたし指名でまた
来ることも、一方的に
押し切られたこの状況も。
全部が全部、ワケわかんない。
「紫苑がお客に呼びつけ
られて出勤するなんて、
ありえないし――!」
そう――《紫苑》は、
そんな安っぽい女じゃいけない。
会いたい会いたいって
足元に群がる男達を、
余裕の笑みでスルリとかわす。
そーゆー女なのに。