オフィスの甘い罠
「行かないわよ、あたし――」
ペナルティーなんて別に
怖くもなんともない。
これはプライドの問題。
「絶対、行かないん
だから――!」
携帯をギュッと握り
しめて、あたしは自分に
言い聞かせるみたいにそう
つぶやいた――…。
◇ ◇ ◇
―――それなのに。
ふんわり巻いてウェーブを
出した髪。
メガネを外してきっちり
ほどこしたメイクに、
新作のドレス。
(何してンの、あたし……)
――PM9:00。
あたしは……紫苑になって
その場にいる自分が、
自分で信じられなかった。
ペナルティーなんて別に
怖くもなんともない。
これはプライドの問題。
「絶対、行かないん
だから――!」
携帯をギュッと握り
しめて、あたしは自分に
言い聞かせるみたいにそう
つぶやいた――…。
◇ ◇ ◇
―――それなのに。
ふんわり巻いてウェーブを
出した髪。
メガネを外してきっちり
ほどこしたメイクに、
新作のドレス。
(何してンの、あたし……)
――PM9:00。
あたしは……紫苑になって
その場にいる自分が、
自分で信じられなかった。